コインランドリー情報誌 ランドリービジネスマガジン LBM

国内唯一無二のコインランドリービジネス情報誌




KEY WORD:年配層にも支持される“インスタ映え”する店、土日に2~3時間かけて、わざわざ来店する若者も

 無人の24時間営業が主流のコインランドリーであるが、毎日夜6時半に閉店する店が2017年10月、京都・福知山市に誕生した。同店のテーマは“西海岸スタイル”で、内外装は淡路島の宿泊施設「グリーンファームス」などを手掛けたデザイン事務所DRAWERSが担当というこだわりよう。80もの客席があるカフェが併設されている。

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 店の名は「California Laundry Cafe & Co.(カリフォルニア ランドリー カフェ&コー)」。大阪市の不動産業であるルーツ・サプライ㈱(藤田大輔社長)が運営。同社にとって、初めてのコイン経営となる。藤田社長は、「福知山は共働きが多いのでコインランドリーも多いのだが、昔ながらの暗い、無人の店ばかり。そこでおいしいコーヒーを飲みながら女性が気持ちよく使える店を作ろうと考えた」と、コインを福知山で始めた理由を話す。また、どうせカフェをするなら、カフェだけでも成立する程のフードと本格派コーヒーを提供したいと関西で人気のサンドウィッチ専門店「BASEMENT」が、またコーヒーは「ブルックリンロースティングカンパニー」が監修する。

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写真:同店のメインテーマは“西海岸スタイル”。有名なデザイン事務所が内外装を手掛けており、駐輪場の看板もこのカッコよさ!

 ターゲットとするのは20〜40代の主婦。「この年代がオシャレと思う空間であり、気持ちいいと思える空間を作りたい。既成のコインランドリーのスタイルにとらわれない店づくりを演出したかった」という藤田社長自身も37歳。

 その店内は220㎡と広く、約7割のスペースがカフェ、約3割がランドリーとなっている。この割合だけを見ると「カフェのおまけにランドリーがついている」と考えてしまうが、あくまでも主体はランドリーだと藤田社長は強調する。確かに店名も、カフェの前にランドリーが来ている。

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写真:営業時間はカフェが10時〜18時、ランドリーが9時〜18時30分。18時30分に閉店するコインは珍しいが、不満の声などは特にないという

 利用客の男女比は、カフェ・ランドリーとも8:2程度で、狙い通り女性が圧倒的に多い。ただし、年齢層に関しては60〜80代など年配の方も意外に多く、大人数で集まりやすいためカフェで同窓会を開いたり、親子3代でランドリーを利用する姿が見られたりするという。

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写真:ランドリーとカフェを仕切る店内の扉はスタッフオンリー。両方を利用するお客は、1回外へ出て移動するようになっている

f:id:murakamihjm:20180517043849p:plain写真:カフェの入口前は撮影の人気スポット。その左はバッグやTシャツ、タオルなどのグッズ販売コーナー

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写真:大阪の人気カフェのスペシャリティコーヒー豆を使用した上質なドリップコーヒー(380円~)とともに、各種サンドイッチ(580円~)にタコライス(720円)にガーリックシュリンプ(820円)などのライスメニューも用意

 その一方で、週末は10〜20代の若い女性が目立つ。彼女たちの目的は、写真を撮るため。実は、同店は2017年の流行語大賞にもなった“インスタ映え”する店として人気で、大阪や和歌山などから、写真を撮るために2〜3時間かけて、わざわざやってくる人も珍しくないそうだ。

f:id:murakamihjm:20180517044024p:plain写真:︎コインはエレクトロラックスの機械で洗濯乾燥機が4台、乾燥機が8台

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f:id:murakamihjm:20180517044106p:plain写真:使用済みのプリペイドカード(2000円分=緑のカード)で500円までのドリンクと交換するサービスも。また、年末年始にはランドリー利用で380円のドリップコーヒー1杯をプレゼント(茶色のチケット)。その逆に、チラシを持参したカフェ利用者に300円分のランドリー券(ピンクのカード)を進呈するキャンペーンも

 本業である不動産の会社は大阪だが、2017年10月のオープン前から年明け直後まで、藤田社長は福知山に家を借り、朝の掃除から先頭に立って実施。スタッフが不慣れなこともあって、オープン時に特別な販促は行わなかったそうだが、3か月後からチラシの折り込みをスタート。「地元での認知度も低く、売り上げ的にはまだまだ。ランドリーの利用でコーヒーをサービス、その逆にチラシを持参したカフェ利用者に300円分のランドリー券を進呈するなど、併設店だからこそできる販促にも取り組んでいきたい」と藤田社長は話している。


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