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スイスの洗濯事情/カラーコーディネーターによる海外の洗濯・ランドリー事情① 倉永真紀子

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 みなさん初めまして! カラーコーディネイターの倉永真紀子と申します。「カラーコーディネイター」というと、何をしているのかイマイチ想像しにくいかもしれません。具体的にはファッションやインテリアなどを通じて、色の組み合わせを提案することなのですが、 私の提案するカラーコーディネイトとは、単に綺麗な色を並べるだけではなく、それを使う人の「心を動かす」配色を提案することで、見た目にも心にも美しいコーディネイトを指しています。

 早速ですが、今回は日本を飛び出して、ヨーロッパの国で発見したお手入れ商品とカラーイメージについてレポートします。

 今回訪れたのはスイス。フランス、ドイツ、オーストリア、イタリアと国境を接するヨーロッパの国です。

 スイスでもお家でお洗濯をするのが基本で、お洗濯に必要な洗剤は主にスーパーで購入します。 小さなスーパーにもお洗濯コーナーはあり、第一印象は日本より派手で蛍光色が多いイメージ。 洗濯洗剤は液体洗剤が5割ほどを占めていて、粉洗剤が約3割、タブレット、スプレー等と続きます。日本でおなじみのアリエールも、国を越えるとイメージが違います。

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写真:日本でおなじみのアリエールも、海外ではイメージが違う

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写真:こちらのカラフルなパッケージは、濃色衣類用の洗剤

 

 商品によりお値段は違いますが、液体のアリエールは1.82ℓ(28回分の容量)で14.95スイスフラン。1フランは約112円なので、日本円でなんと約1,683円! 日本との値段の違いに驚きを隠せませんでした。

 1ℓあたり8.21フラン(約924円)、1回あたりだと0.53フランと、約60円もコストがかかっているなんて!

 こちらでも価格の安いスーパーのPB製品もあり、そちらは1回あたり約13円と格安。この差にも驚きましたが、平均して1回のお洗濯のコストは37円程。

 その点に加え、こちらでのお洗濯は乾燥を含めて2時間ほど時間を要することもあるからか、洗濯は毎日しないそうです。

 スイスは物価が高いですが、収入も高いです。例えば500㎖ボトルの水は約96円と日本と変わりませんが、バゲットが300円くらいからと、物により違いますが日本で買い物する時よりも1.2〜1.5倍ほど高い印象を感じます。時にはそれ以上高く感じる物もあります。

 洗濯洗剤も様々な種類や色があり、店頭には白、青、ピンクと共に「黒」が多く並んでいます。日本に住む私たちにとって柔軟剤のパッケージではなく、洗濯洗剤での黒は馴染みが無いかもしれません。これはなぜかというと、「黒物衣類向けの洗剤」のパッケージだから「黒」なのです。黒物衣料の色落ちを抑える洗剤です。

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写真:黒物衣類向け洗剤だから、パッケージは黒!


 こちらでは衣類の色に合わせて、洗剤の種類が細かく分かれていて、黒物衣料用洗剤があれば、濃色衣料用洗剤、白物衣料用洗剤もあります。濃色衣料用洗剤にはベースとなるカラーに加え、赤、青、緑など数色の色が使われているため、パッケージを見た時に濃色衣料用洗剤であることがわかります。蛍光ピンクや濃い紫色のパッケージも多く、濃色とのコントラストが「色を鮮やかに保ちます」というイメージを感じました。

 カッターシャツ(ワイシャツ)などの白さが求められる衣料には、白物衣料用の洗剤が黄ばみを防ぎ、白さを保つ効果を発揮します。こちらのパッケージは主に白地に青文字で、爽やかなイメージがします。また、赤ちゃん用衣料洗剤にも白が多く使われていますが、こちらは汚れを落とすというより赤ちゃんのピュアなイメージ、柔らかい肌に触れる優しい素材感をイメージさせます。

 洗剤の種類に限らず、やはり一番多くパッケージに用いられている色は日本と同じく「白」でした。汚れた衣類を洗うことで白くする、もしくは汚れを落として消す、というお洗濯のイメージに通じます。

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写真:それでも一番多いパッケージの色は、やはり白!

 白、黒に次いで多いピンクの色は、ウール衣類やデリケート衣料用洗剤に多く見られます。柔らかいピンクの色はウール製品やデリケート衣類をソフトに洗い上げる効果を連想させますよね。

 日本の洗剤にはスピード、時短、抗菌という機能が多く求められますが、こちらでは素材に合わせた洗剤を多く見ます。紹介した以外にもスポーツ衣類用、赤ちゃん衣類、敏感肌の方用など日本以上に素材に合わせて種類が多く、スーパーでも手に入りやすいため身近に感じます。

 各社がパッケージでアピールしていることは、何回使えるか、どの水温に適しているか、いかに素材に優しいかという情報。色を通じて、「その商品がどのように効果をもたらすものなのか」ということを表しています。言葉を使わずとも一見でイメージを与える「色」を使うことで、たくさんある洗剤の中からどれを選べばいいかを消費者に訴えています。

 これは商品パッケージのみならず、お店のチラシなどでも何かを伝えたい時に好きな色ではなく、イメージと使用する色を統一させることでイメージが伝わりやすくなることにも通じます。素材を大事にするヨーロッパ式のお洗濯の方法は服を大切することにもつながります。私たちも毎日のお洗濯で、素材を大事にすることを見直してみてもいいかもしれませんね。

倉永さんのブログ https://ameblo.jp/life-is-colorful-makiko/



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