コインランドリー情報誌 ランドリービジネスマガジン LBM

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Event Report:コロナ禍で国際コインランドリーEXPO 2020は開催中止も


2020年は5店舗(4部門)が受賞、来年は表彰式を!

 2020年9月24・25日にインテックス大阪で開催を予定していた「第5回 国際コインランドリーEXPO 2020」は、残念ながら新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となってしまった。しかし、同展の看板イベントである「コインランドリー店アワード」は、当初の予定通り8月24日に都内で選考委員会を行い、多数のエントリー店舗の中から授賞店舗を選出した。今回の受賞店舗は以下の5店舗となる。


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写真:一部リモート参加の委員も交え、都内で行われた選考会の様子


 

 最優秀賞/コインランドリーと洗濯代行のお店 JabbaRing本店〈札幌市中央区


 あらゆる側面から、もっとも評価の高かった店舗に授与する【最優秀賞】に輝いたのは、札幌市中央区にあるコインランドリーと洗濯代行のお店 JabbaRing (ジャバリン)本店。


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写真:みごと2020年の【最優秀賞】に輝いた、コインランドリーと洗濯代行のお店 JabbaRing (ジャバリン)本店


 コインランドリーとクリーニング、両方の機能を持った、今までにない新しいタイプのコインランドリーで、一般的なセルフサービスのほか、常駐するスタッフが代行する「アラワサッタサービス」も展開。これは、コインランドリーの使い方や知識が全くなくても失敗せず、無駄にお金を使うことがないようにと、常駐するクリーニング師の資格を持つスタッフが洗濯から乾燥まで行うというもの。「アラワサッタ」とは北海道弁が由来で、『結果的にスタッフが代わりに洗っておいてくれた』という意味が込められているそうだ。


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写真:8割が利用しているという洗濯~乾燥代行サービスの「アラワサッタ」。看板メニューだけに、ブランディングもしっかりと



 「代わりに洗う」というと、洗濯代行をイメージする人が多いかもしれないが、たたみまで行う一般的な洗濯代行とは異なり、「アラワサッタ」は洗濯〜乾燥が終わったら、たたまずにランドリーバッグに入れて返すだけ。その分、必要なのはランドリー機器の利用料金のみだそうで、ジャバリンのお客は、8割がセルフのコインランドリーではなく、「アラワサッタ」を利用しているという。

 なお、たたみまで希望する人には洗濯代行のメニューがあるほか、クリーニング業としての顔も持つので、クリーニングの依頼も受けている(水洗い品は同所で処理、ドライクリーニングが必要な品物は外注)。

 コインランドリーと言えば、無人・セルフサービスという施設が多いが、使い慣れていない人にとっては、「機械の操作方法が分からない」や「洗えないものや他の洗濯物と一緒に洗っていけないものは?」など、聞きたいことがあっても聞くことができないケースが多い。しかしジャバリンでは、スタッフが洗濯乾燥を代行することで失敗のない洗濯を提供する「アラワサッタ」を考案。その独自のサービスが多くのユーザーに浸透していることを高く評価し、今回の最優秀賞とした。


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写真:全スタッフがクリーニング師の資格を取得するために勉強に励んでいるそうだ。左から三人目が竹内康社長

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写真:コインランドリースペース

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写真:洗濯後の保管サービスも行っているという

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写真:実はLBM 第11 号に登場していたジャバリン。この時はオンラインだったので、近くリアル取材を行う予定



 なお、アワード最優秀賞受賞店舗は後日、LBMが取材に行き誌面で紹介することになっているが、ジャバリンは海渡産業㈱のユーザーとして第11号に登場している。しかし、この時は感染拡大に伴う緊急事態宣言下であり、取材は現地訪問ではなくオンラインにて行っていた。そのため、実際に札幌まで足を運んで受賞の喜びの声などを第13号でお届けする予定。お楽しみに!


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写真:コインEXPOでは例年、展示会初日にアワードの表彰式を行っているが、次の2021年は再び壇上でお祝いしたいものだ(写真は2019年のもの)

 

特別賞/ブルースカイランドリー カインズ名古屋守山店〈名古屋市守山区

 特定の分野において秀でている店舗に与えられる【特別賞】は、名古屋市守山区のブルースカイランドリー カインズ名古屋守山店が受賞。㈱ジーアイビーが展開するブルースカイランドリーは、スーパーやホームセンターなどの商業施設敷地内への出店に特化していることで知られるが、2019年に台風による大規模な停電の影響で連日、被災者が店舗に列を作ったことをきっかけに災害時に被災者を支援する機能を備えた「災害対応型ランドリー」をオープン。同店にも発電機や炊き出し用具を設置しているほか、乾燥機の燃料のLPガスでポータブル発電機を作動させ、停電時でもスマートフォンの充電や照明に電気を供給したり、直接LPガスを供給して非常食の調理などが行えるという。このような取り組みが業界にもっと広がることが期待される。


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写真:災害時に被災者を支援する機能を備えた「災害対応型ランドリー」となっており、停電時でもスマートフォンの充電や照明に電気を供給したり、直接LPガスを供給して非常食の調理などが行える

 

特別賞/森のコインランドリー フワフワ〈岐阜県揖斐郡

 また、岐阜県揖斐郡の森のコインランドリーフワフワにも【特別賞】が贈られた。同店では、洗濯機能の枠にとどまらず、地域の方同士の交流の場、地域活性化の場の役割を果たせる公民館のようなお店になれるよう、日々取り組んでいるという。その役割についても、2017年には、自由に使ってもらえるレンタルスペースを店内に開放、『プチ起業』を体験する場などとして利用されているという。2019年には利用者同士で交流できる物々交換スペースを設置。そして2020年には店舗近くにキッチン付きのレンタルルームをオープンするなど、進化し続けている点が支持された。


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写真:充実した内容の店舗ガイド

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写真:「コインランドリーとしては日本最大級」というキッズルーム

 

UI・UX部門賞/LAUNDRY SUN2 中越店〈長野県長野市

 ユーザーにとって使いやすい店舗であり、質の高いサービスを提供する店舗に与えられる【UI・UX部門】での選出は、長野県長野市LAUNDRY SUN2(ランドリーサンサン)中越店。同店の営業時間は朝5時から深夜24時までだが、朝5時から7時と17時から24時は同店のオリジナルカードの「サンサンカード」を持っている人だけが入店できる“あんしん時間”となっているが、サンサンカードとは店内で購入できるプリペイドカードのこと。完全会員制にするとセキュリティーが向上する半面で、月額いくらなどと利用者側にとってハードルが高くなるが、“あんしん時間”は、これまでのランドリーと同様、不特定多数を対象とした上で、会員制の良さも取り入れた仕組みと言えるだろう。なお、同店については12ページでも詳しく紹介している。


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写真:早朝や夜間は「サンサンカード」を持っている人だけが入店できる“あんしん時間”となっているため、女性でも安心して利用できる

 

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店舗デザイン部門賞/WASH Facility KIMAMA公津の杜店〈千葉県成田市

 また、店舗外観・内装のデザイン性に特化した店舗に授与される店舗デザイン部門は、千葉県成田市にあるWASH Facility KIMAMA公津の杜(きまま こうづのもり)店が選ばれた。セルフランドリーとセルフ洗車場の複合施設(WASH Facility =洗う施設)で、運営するのはENEOS㈱の100%子会社である㈱ENEOSフロンティア。今まで男性目線のサービスが多かった洗車場を徹底的に女性目線で見直し、ランドリーに関してもスタッフ常駐を最大限生かし、防犯と清潔・除菌を徹底。また、トイレにもこだわり、男女別に加えて多目的用も。「日本の洗う文化を変えたい!」との夢を持った、女性にとっても居心地の良さそうなお店であった。なお、同店については14〜15ページでも詳しく紹介している。


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写真:セルフランドリーとセルフ洗車場のWASH Facility =洗う施設のKIMAMA 公津の杜店

 

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写真:写真の機械洗いのほか手洗い洗車も行える



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