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書店が運営するコインランドリー・「待ち時間」は販売増のチャンス!大正2年創業の老舗書店が広島で2店舗を運営中

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 今号においても、建設業と不動産業からの新規参入事例を紹介しているが、実は書店の中にも、コインランドリーの経営に乗り出した企業が現れている。


 広島市西区の㈱フタバ図書も、その1つ。同社は大正2年の創業で未来型複合書店を運営しており、中国地方を中心に福岡や関東、愛知で60店舗(うち書店店舗数41)を展開。現在、コインランドリーは広島県内の2店舗に併設されている。

 

 同社のコイン1号店となったのが、大竹市油見の大竹店。もともと書店としては1998年にできた店だが、昨年12月10日、その敷地内でコインランドリーを開始。それから半年後の2016年6月15日には、広島市佐伯区のGIGA五日市店(書店自体のオープンは2011年)でも、コインの営業を始めている。

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(写真)同社のコイン1号店となった大竹店。機械は3台の洗濯乾燥機など計6台

 

 書店である同社が、コインを運営しようと考えたのはなぜか、ズバリ尋ねてみると、「『生活提案型』をコンセプトとした既存店舗(複合書店)の付加価値向上。加えて、待ち時間の有効活用という利用者メリットと、そこから販売の可能性が広がる自社メリットのシナジーを期待。駐車場スペースの有効活用も挙げられる」との答えが返ってきた。

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(写真)こちらは2号店のGIGA五日市店。レンタカーやブランド品買い取り等も行っている「複合書店」だ

 

 実際に運営してみて、書店とコインの相性をどう感じているかも聞いてみると、「直接利用者の声を聞く限り、非常に良い感触。ランドリーという箱自体の在り方をどんどん変化させていきたい」と前向きだ。

 

 同社としてのコイン1号店である大竹店で、ある程度手応えをつかんだことが、半年後の2号店(GIGA五日市店)オープンにつながったと考えられるが、両店のオープン1か月の実績も公開してくれた。

 

【大竹店】  売上510,000円 件数1,100
【五日市店】売上450,000円 件数1,050

※両店ともオープンキャンペーンとしてプリペイドカードの半額販売を実施

 

 書店にとって、畑違いのビジネスであるコインランドリーを始めて、困ったこともあったのではないか。この点については、やはり「機器の扱いを含めて、専門性を持った担当を配置しているわけではないので、トラブルが生じるその都度、バタバタ対応している」そうだ。

 

 現在、コインは広島県内で2店舗だが、書店は東京や埼玉など、関東でも展開している同社。3店舗目や4店舗目の予定や、関東でもコインを始める計画はあるのだろうか? 同社では「まずは既存2店舗の状況推移を見ながら、エリアにこだわらず出店の可能性を検討していきたい」としている。

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(写真)GIGA五日市店の店内。本業との相乗効果を狙った販促も展開している。機械は3台の洗濯乾燥機など計7台

 

 書店とコインランドリーとは、かなり意外な組み合わせのようだが、実は同社の他にも東海や近畿エリアでコインを併設している書店がある。最後に、書店の間でさらにコインが広がる可能性を聞いてみたところ、「投資回収期間の長さがネックではあるが、空きスペースの活用ができそうな立地であれば、可能性はあるのでは」とのことであった。


 ただでさえ活字離れが叫ばれる中、日々のショッピングではネット通販が浸透し、リアル書店が苦戦しているとよく耳にする。特に郊外の書店ならば広い駐車場があるケースも多く、リアル書店+コインランドリーの組み合わせは今後増えていく可能性が十分ありそうだ。

 

(ランドリービジネスマガジン編集部)

 

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