若者の“たまり場”になりがちな深夜の無人店舗。6月には建造物侵入の疑いで中高生4人を逮捕 店のルールを明確にし、しっかり掲示を
KEY WORD〔防犯対策〕:利用者以外の侵入をどう防ぐ?
コインランドリーと言えば24 時間営業のイメージが強いかもしれないが、毎日数時間は閉店する店も少なからず存在する。その場合、閉店時間を過ぎると外からは自動ドアを開けられなくなるケースが多い。この仕組みを逆手にとって営業時間内のコインランドリーに侵入し、閉店後も居座ったとして14 ~ 16 歳の男子中学・高校生が逮捕されるという事件が関西であった。
2017 年6月、建造物侵入の疑いで兵庫県警加古川署は加古川市と加古郡に住む14 ~ 16 歳の男子中学・高校生4人を逮捕。4人は6月21 日午前1時過ぎから3時半前までの間、加古郡にあるコインランドリー店舗内に正当な理由なく侵入。「洗濯するつもりはなく、友達と一緒に入ったのは間違いありません」と容疑を認めているという。その日は雨が降っていた。
以前から閉店時間中、たばこの吸い殻や菓子のゴミ、ジュースの容器などが散らかったままのことがあり、店側では5月に、同署に相談していた。中高生らのたまり場となっていたようだ。
深夜にたむろする若者に頭を悩ませている店は多い(記事とは別のコインランドリーにあった貼り紙)
24 時間営業の店であっても、無人のコインランドリーが若者のたまり場となってしまう例は珍しくなく、警告の貼り紙を見かけることも。今回の事例のように、ゴミ等を放置されると翌日利用するお客に迷惑だし、掃除も大変。24 時間営業の店なら、たむろする若者を目にして、利用をやめてしまう人も少なくないだろう(そもそも、コインの利用者以外は立ち入り禁止にしている店がほとんど)。
ネットに書き込まれた内容もそのまま店舗に貼り出して、店側としての対応を説明している
併設のサービスを利用しに来たら…
夜中に来店し、コインランドリーを利用せずに、併設してあるマッサージチェアを使っていた男性に防犯カメラで気づき、オーナーが退出を呼びかけたところ、「不審者に間違いないと他の利用客のいる前で、オーナーに怒鳴られた!~中略~最悪なコインランドリーなので、皆さんお気を付けて下さいね!!!」とネット上で書き込みをされたというコインランドリーを取材したことがある。
この店では、これを機に「深夜時間帯(午後10時~午前5時)のマッサージチェアの利用は、コインの利用客に限る(入店も禁止)」とのルールを明確化。また、ネットに書き込まれた内容もそのまま店舗に貼り出して、店側としての対応を説明している。
店舗の一角にマッサージチェアが2台。今回の件をきっかけに、深夜時間帯のマッサージチェアの利用は、コインの利用客に限るとのルールを明確化
関西にあるこの店は、なんと店内にルンバ(ロボット掃除機)があるほか、スティック型の掃除機も置かれている。24 時間営業の無人店舗なので、盗まれないのか心配になってしまうが、「様々な位置に防犯カメラを設置してあり、万が一盗まれたら、すぐに犯行時の映像を持って警察に届け出る」とオーナー。
店内にルンバとスティック型の掃除機が隠すことなく置かれている。万が一、盗まれたら「すぐ通報する」とオーナー
取材時が雨だったこともあって、たくさんの利用者が次々と訪れていたが、店内はとにかくキレイ。その理由は、店側の掃除が行き届いているだけでなく、スティック型の掃除機を使って「待ち時間に掃除をしてくれるお客さんもいる」のだそうだ。
そんなお客さんがいる店をオーナーもとても大切にしており、「皆に気持ちよく利用してもらうためにも、ルールを守れない一部の人には、今後も毅然とした態度で臨んでいく」としている。
読者登録 いただきますと、毎号発刊時・サイト更新時にメールにてご連絡させていただきます。
読者登録はこちらまで