コインランドリー情報誌 ランドリービジネスマガジン LBM

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多くの人が気づいているが、まだまだ少ない視点のお店/カラーコーディネーターによる海外の洗濯・ランドリー事情③ 倉永真紀子

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 みなさんこんにちは!ライフ イズ カラフル!カラーコーディネイターの倉永真紀子です。

 最近何かと話題のコインランドリー業界。今回はマレーシアで見つけたお店は入り口がなんと黄色! 見た目が明るく目立ち、カラフルな建物が多い街並みにも馴染んでいます。

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写真:マレーシアで見つけた入口が黄色の店。カラフルな建物が多い街並みにも馴染んでいる


 実はこのお店はとても狭く、洗濯機・乾燥機とメニュー表があるだけの、とてもシンプルな造り。12㎏の洗濯機、乾燥機が各2台、15㎏の洗濯機1台、乾燥機2台の計7台のみが設置されています。

 店員さんがいないコインランドリーなので、お客様に伝えるべき値段や洗濯機の使い方の情報を伝えるのは壁面の黒板のみ。場所をとらない壁面を使って、必要な事だけ、シンプルにまとまっています。

 お値段は、冷水洗濯と温水洗濯によって違います。現地の方曰く、決して高い金額ではないそう。

<冷水>12㎏約150円、15㎏約190円

<温水>12㎏約180円、15㎏約220円

<乾燥>12㎏/24分約110円(追加3分ごと約14円)

15㎏/25分約140円(追加5分ごと約28円)

(2018年5月現在、1MYR=約27.5円として計算)

 このように、気軽に大容量の温水洗濯と乾燥ができるのは、コインランドリーの魅力ですね。

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写真:水温により値段が違う

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写真:乾燥機の使い方

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写真:洗濯機の使い方


 洗濯機の使い方は初めてでも理解しやすくまとめられており、洗えないもの、機内に入れると危険な物の補助表示は、洗濯機の周りに貼られてありました。

 内装は黄色を基調に、木やレンガの茶色いぬくもりのある壁と、黒板に書かれた手書きの文字。

 頭の中に明るい黄色を思い浮かべてみてください。

 黄色の持つイメージとして「明るい」「楽しい」というイメージは想像しやすいのではないでしょうか。

 コインランドリーというと、シンプルで無駄なものがなく良く言えばシンプル、だけど少し殺風景なイメージはありませんか? 鮮やかな黄色をメインカラーとして使うことで、明るい雰囲気を感じ、狭い店内の空間を広く見せる効果があります。

 そこに茶色の木調の壁や土色のレンガはぬくもりを、黒板の手書き文字は親しみやすさを与えています。


コインランドリーのカラーコーディネイト

 お洗濯業界によく見る青と白の定番の組み合わせは、清潔なイメージを連想させますが、この配色は面積や使い方によっては冷たさを感じてしまうことがあるので組み合わせには注意が必要です。

 色はお客様の心に無意識かつダイレクトに印象づけられ、それがお店のイメージになっています。

 シンプルなコインランドリーも無駄がなくて良いですが、こういった明るい色と、ぬくもりのある木や壁と共に洗練された雰囲気があると、女性一人でも使いやすいことは大きなポイントです。

 多くの人が気づいているポイントかもしれませんが、このようなお店はやはりまだまだ少ない気がします。

 このお店にあった免責事項を伝える黒板には「自己責任でお洗濯してくださいね」という文字とともに、「Have fun」「Life goes on」「Be happy 」というお洗濯とは関係ないメッセージとかわいいイラストがありました。小さな空間にいるお客様にハッピーな雰囲気を感じさせます。

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写真:免責事項を伝える黒板

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写真:付記情報


 このお店にある色と、手書きの黒板から感じたのは「あたたかい」イメージと「明るい」イメージ。

 コインランドリーが楽しい場所、人が交流する場所、というイメージはあまりないかもしれませんが、例えば、コインランドリーという空間が「楽しく過ごす場所」になれば、お洗濯をするという行為は同じでも、待ち時間を含め、そこで過ごす時間に大きな価値が生まれます。

 だからこそ、楽しく過ごせる、人が集まるようなコインランドリーがあってもいいのではないでしょうか。

 私がこのお店に行きたいなと思ったのは、この明るい雰囲気とお店の清潔さが保たれているからで、この場所で待つ1時間なら、殺風景な空間にいるよりも心に余裕が持てそうな気がしました。

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写真:明るい色と洗練された雰囲気により、女性一人でも使いやすい


 お洗濯とは一見関係のない言葉や内装がそれを助けていて、重要な役割を担っています。

 コインランドリー業界のみではなく、それぞれにお店のコンセプトや伝えたい思いは持っていても、お客様には伝わりにくいもの。

 だからこそ当たり前を覆して、そのコンセプトをお客様に伝えるコミュニケーションや色を皆さんのお店から作ってみてはいかがでしょうか。

 ポイントは「お客様に思いを伝えること」。コミュニケーションとは、対面ですることだけではありません。みなさんのお店でできることから始めてみてくださいね。


倉永さんのブログ https://ameblo.jp/life-is-colorful-makiko/



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