REPORT:㈱TOSEI/静止型のふとん乾燥機を9店舗に導入、ネット不要の「ふとん洗濯コース」の存在で決断!
栃木県 メイトランドリー
2019年9月に行われたコインランドリーEXPOで㈱TOSEIより参考出品され、注目を集めていたコイン式ふとん乾燥機「FDG-100C」(容量・シングル1枚)が、2020年3月に正式発売された。
写真:ふとんの表面積いっぱいに熱風を当て、ウマ側で強制的に熱風をふとんの中にまで送り込む構造。バンドにより乾燥風を逃さない
ふとんは通常、回転乾燥機で乾燥されるが、同機は静止型。ガスバーナーから熱風を取り入れるのは回転式と同じだが、ふとんの表面積いっぱいに熱風を当て、ウマ側で強制的に熱風をふとんの中にまで送り込む構造。熱風をふとん全体に均一に当てることができるので、回転式と比べ乾燥効率がアップ、乾燥時間を大幅に短縮できるという。
同じガスバーナーを使用した同社の試験では、回転式は170分で94%の乾燥率であったが、静止型は20分で97.8%を実現(湿気等を考慮し、同社では乾燥率96%以上を完全乾燥と定義)。回転式と比べ、乾燥時間が9分の1になったとしている。なお、乾燥時間は素材や生地の厚さにより変わってくる。
早速、その静止型乾燥機を導入したのが、栃木県でコインランドリー「メイトドリーム」を展開する㈲メイト(舩越亮人社長)で、「敷きふとんも洗えると多くの人に知ってもらいたい」との思いから、現在ある35店舗のうち、どのエリアに住んでいても設置店舗が遠くならないよう9店舗に導入した。
写真:メイトドリーム佐野大橋店。大きな看板に複数枚ののぼりで「ふとんが洗える」ことを広く知らせている
写真:店舗の内外装建築やのぼり、看板まで全て自社で行っているというメイトのスタッフ。後列左端が舩越亮人社長
しかし、ふとんには苦い思い出があったという。同社では10年ほど前、クリーニング師の資格を取得し“ふとん洗い専門店”の事業を立ち上げたが、「洗い時に中綿のヨレが頻発し、クレーム対応に追われたため、専門店は閉鎖。そのままふとん洗いからフェードアウトしていた」と舩越社長。
実は、同社にはTOSEIの販売代理店としての顔もあり、直営店舗のほか100件近くのランドリーの立ち上げに携わってきた。そのため、今回の静止型乾燥機の情報も早い段階でキャッチしており、新型乾燥機だけでなく、同時に誕生した「ふとん洗濯コース」の存在が、ふとん洗いへの関心を呼び起こしたそうだ。
通常の洗濯ではドラムが定期的に逆回転するが、「ふとん洗濯コース」は一方向遠心洗い。遠心力に加えて水量も多くすることによって、ドラムの中でふとんを常に外側に張り付かせ、ネットに巻いたり、縛ったりしなくても“中綿がよらない”という。洗浄後の乾燥は、乾燥効率アップにより乾燥時間を大幅に短縮できる静止型を使えば、「安定した品質で、スピーディーに敷きふとんを洗ってもらえる」と考えたわけだ。
写真:一方向遠心洗い+スピード乾燥を大きくPR
写真:料金は、ふとんコースの洗い(中型機)が1000円、乾燥は6分100円
「ふとん洗いからフェードアウトしていた」と言いつつも、それなりに要望があったため、ふとんを巻くネット等を店舗に置いていたが、「『やりにくい、できない』という声が多かった。それが今回のふとん洗濯コースにより、巻いたり、縛ったりせず洗えるのは、利用者にとって非常に便利なこと」と舩越社長は高く評価している。なお、ふとんの生地が古い場合は、破れ防止のためにネットを利用した方がよいそうだ。
従来のドラム式とは異なるその形状もあって、静止型乾燥機に注目が集まっているが、「洗いのプログラム(ふとん洗濯コース)」が新型乾燥機導入の決め手となったとの声は少なくないという。メイトでも、過去の苦い経験をバネに“新たな洗い+乾燥”で、再び敷きふとんに挑み始めている。
初めてふとんを洗ってみました!
今回の取材に合わせて、「初めて敷きふとんを洗う」という近所の方に来てもらい、実際に洗濯・乾燥を体験してもらった。ベッドの上に敷いて毎晩寝ているもので、洗い上がりを確認すると「すごく軽く、キレイになった。思っていたより簡単に洗えたので、次から一人でもできそう」と笑顔を見せていた。
写真:ふとんを折り、ドラム内でドーナツ状に整える。もちろん洗いは「ふとん洗濯コース」
写真:乾燥効率アップのカギとなるバンドも自分でとめてセット
写真:500円・30分でしっかりと乾いていた(乾燥時間は素材や生地の厚さにより異なる)
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