コインランドリー情報誌 ランドリービジネスマガジン LBM

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REPORT:カラフル札幌白石本通21丁目店/洗剤は誰もが知る「アタック」を使い洗浄力の強さをウリにブランディング 一回すすぎで水道コスト40%削減 エコに貢献

北海道札幌市・ガス屋さんのコインランドリー・カラフル札幌白石本通21丁目店

 

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 北海道留萌市と札幌市で2店舗展開中の有限会社大丸商事。ガスおよび機器販売事業を母体とする会社で、同社専務の櫛井俊介氏がコインランドリー責任者。「ガス屋さんのコインランドリー『カラフル』」の名称で2018年10月に留萌に1号店をOPENさせた。

 

人口800人に洗濯機1台

売上はスタートダッシュが大切

 

 留萌は人口22,000人で日本海側に位置し「冬は雪で商売にならない」厳しい地域だが、立地が抜群で同年4月に開業を決断。その後2ヶ月かけて日本全国のコインランドリー店を見学して回った。コイン経営に先に乗り出す地元経済会の先輩仲間に開業の相談をすると、「やめろ」と言われた。「巷では初年度月40〜60で3年後80〜100万円などの根拠の無い定説が一人歩きしているが、そんなに甘くない」と気を引き締め初年度のスタートダッシュが肝要。立地にも恵まれ開業から10ヶ月の翌年8月に月100万円を超えた。(設備増強も同時実施)」そして2020年7月に現在のデザインとなる店内改装を実施、高いレベルでの安定売上を達成できた。

 

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▲櫛井俊介専務

 

 櫛井専務は「私は人口800〜1000人に対して洗濯機1台と考えている。現在自店7台・他店12台なのでまだ余力はある」と見込み新店開発に向けて余念はない。

 

 実は、今回取材したのは今年5月にOPENのカラフル札幌白石本通21丁目店。地元ローソンを多店舗経営するオーナーより声がけがありコンビニ横への出店を決めた。坪数・家賃は非公開だが、写真を見ても分かるように快適な広さ。家賃交渉に成功し採算範囲内にしっかり収めた。

 

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▲とても明るく広い店内はスッキリ清潔感満載

 

 交通量の多い生活道路沿いであるが、運転中の視認はせいぜい1〜2秒。「コインランドリー」の文字を可能な限り大きくしカタカナを使用。すぐにわかるような店舗デザインとした。近隣にはライバル店が4店舗あるが、開店から5ヶ月目にあたる今年9月には月商大台超。札幌店も留萌同様にスタートダッシュに成功した。

 

コインランドリーはきれいにすることが基本

付加価値ではなく洗いの本筋で勝負

 

 このスタートダッシュの原動力には、洗剤も一役買っている。櫛井専務は『コインは洗濯物をきれいにすることころ。だからこそ洗浄力が基本で売りの中心であるべき』と語り、開店から洗剤には花王アタックを採用した。液性が弱アルカリで、ガンコな皮脂汚れもサッと落ち、洗浄力の強さをすぐに感じた。

 

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▲箱は4Lポリ×4本で納品。バケツに投入。蓋を開けると馴染みあるアタックの香りがする。

 

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▲店内入口や機械ボタンなど各所にアタックのロゴが配置されるアタックのほかに中性洗剤が投入されるオゾン除菌洗濯乾燥コースを用意している。

 

 お客様は、“ここのお店は何の洗剤を使っているのか?”何も表現しなければお客にとっては不明瞭。誰もが知るアタックブランドが、このお店(の洗濯)はきれいになる…のイメージづくりに当然役立っている。汚れが良く落ちる説明動画もつくり、ネット上や店内でも配信している。

 

汚れ落ち&訴求力での安心感のほかに

「大幅節水」も実現したアタックの1回すすぎ

 

 札幌店での使用開始に合わせて留萌店でもアタックを追加した。すると、月10万円かかっていた水道料金が6万円になり(前年同月・同売上)4万円削減に成功。「留萌はとにかく水道料が高く、1回すすぎの効果がこれほど出るとは驚いた。節水はSDGsにもつながりサステナブルの概念はコイン経営にも外せない」という。ただし、店内はロゴがベタベタというわけでなく、あっさり感がある。「消費者の中にはアタックが嫌いな人も居る。無理強いしない程度の表現で」と装飾も落ち着き感を出す。

 

 「2ヶ月間全国のお店を見て回り、A3やA4サイズのチラシが何枚も貼られている店舗ばかりに感じ、お客様は目に入っておらず伝わっていない。だからこそカラフルでは大型パネル1枚で訴求」している。

 

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▲壁面いっぱいに掲げられる見やすくわかりやすい店内装飾。おシャレでつい読みたくなる。

 

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▲PAY払いも充実のマルチ端末、ICカードの利用率も高い

 

 パネル内にはアタックのロゴも使われているが、専門的な内容も盛り込まれて、洗いに対する店側の熱意が伝わる。また専務はクリーニング師の資格取得のほか、TeMA(日本繊維商品めんてなんす研究会)のクリーニングアシスタントアドバイザーの認定書も店内に掲げ、プロとしてのこだわりを表現している。

 

福岡にある同業者の装飾リニューアルを手伝い

コインランドリー経営のサポート業務も開始!

 

 「有人にするのか無人なのか」事業を考える時、一つの大きな分岐点がここだ。同社では「スタッフ教育を施し有人化するのはクリーニング業の部類」であると考え、無人メリットを押す。だからこそ無人のデメリットを装飾POP類で補う必要があり、費用はかかるが何度も何度も作り替えしている。専務が説明する動画コンテンツも豊富にあり、SNSでもファンは多い。すぐに共有できるデジタルメリットを生かして、「同業者のお困りごとを解決していきたい」とする。

 

 直近では福岡の同業者の支援も実施した。サポート活動は今後充実させていきたい!と語る。短期間で売上を立ち上げる手法、そしてアタック洗剤を活用するブランディング、そしてデジタルでの顧客訴求。「洗う・きれいにする」というコインランドリーの本筋を一直線に進む同社の動向。そして、サポート業務を充実させ動画コンテンツも多彩に作り込み発信する櫛井専務の活動から今後も目が離せない。 

 

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【訪問余談】

取材時間は1〜2時間を見込んでいたものの、旨い回転寿司を挟み気がつけば4時間を超える大取材。話を伺うだけでなく弊社事例報告も加え、あれやこれや。「自店舗を持つことはこういうことなのか」を肌で実感した

◆コンビニ横立地はとかく強い!夜遅くの利用も見込めそう。他人の芝生が特に青々見えるのがランドリーオーナー

◆色々目移りするがランドリー経営だが、「洗浄力が基本」の話は思わず納得した。(記者・S)

 

 

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