It ' s new：㈱山本製作所／コインランドリーでも「プラズマクラスター」。標準搭載の最新モデル、2022年６月発売開始！

大手家電メーカー・シャープとコラボ

コインランドリーは近年、家事の時短化や衣類のカジュアル化などの需要を受け、利用者が増加している。また、ウイルス禍により消費者の清潔志向も高まっている。

こうした背景から、コインランドリー機器メーカーの㈱山本製作所（広島県尾道市）では、大手家電メーカーのシャープ㈱が提供するプラズマクラスターイオン発生ユニットを標準搭載した業務用乾燥機、業務用洗濯乾燥機を業界関連企業数社と共同で開発。2022年６月より発売が始まる。

■除菌や静電気抑制の効果

プラズマクラスターはシャープが開発した空気浄化技術で、独自の発生ユニットを用いて自然界にあるのと全く同じ水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンをプラズマ放電により作り出して空気中に放出し、浮遊ウイルスや浮遊カビ菌などの作用を抑える。さらに詳しく説明すると、プラスとマイナスのイオンが浮遊ウイルスや浮遊カビ菌に付着した際、非常に酸化力の強いOHラジカルに変化することで、表面のタンパク質から水素を素早く抜き取り、その作用を抑制。抜き取った水素はOHラジカルと結合し、反応後は速やかに水となって空気中に戻っていく。一般的には、空気清浄機やエアコン、冷蔵庫といった家電製品への搭載技術として知られていて、除菌、消臭、静電気抑制などの効果が実証されている。

業務用乾燥機と業務用洗濯乾燥機におけるプラズマクラスターイオン発生ユニットの搭載は初の試みで、そのメカニズムは、乾燥運転時にイオンを放出してドラム内の衣類や寝具を除菌するというもの。また、静電気抑制効果によって乾燥運転時の静電気を減らし、洗濯物を取り出す際の「バチッ」を抑えることもできるという。

■99.9%以上の除菌性能を実証

山本製作所では、プラズマクラスターイオン発生ユニットを業務用乾燥機と業務用洗濯乾燥機に搭載し、シャープによる評価試験（試験機関は（一財）日本食品分析センター）を実施。除菌効果については、同社製７機種の乾燥機と洗濯乾燥機のいずれにおいても99.9%の除菌性能が実証された（乾燥運転時にプラズマクラスターイオンが供給される洗濯槽内における38分後の効果）。また、静電気抑制効果についても乾燥運転時12分後の効果として、39〜79％の静電気量低減が確認され、「業務用機器でもプラズマクラスターの効果は十分発揮できることが分かった」と同社。ウイルス禍で高まる消費者の清潔志向に対し、国内大手家電メーカーの空気浄化技術を採り入れた乾燥機と洗濯乾燥機で応えていく。

北米市場での展開も進めている山本製作所の製品は「Forever machine」と呼ばれている。これは、「部品さえ交換すれば、半永久的に使用可能である」という特長から生まれた言葉だという。大量生産→大量消費→大量廃棄といったこれまでの生活様式に対し、これまで一貫して製品をリーズナブルな価格で提供し、安価な部品の供給を行っている。「できる限り長く同じ機械をクオリティーを維持したまま使い続けてもらう」というサステナブルな考え方が、同社の強みとなり高く評価されている。

こうした取り組みやウイルス禍でのコインランドリー、病院、福祉施設などの需要増により、2021年度には前年比約20％の売上アップを達成。さらなる生産力の増強と品質向上を目指し、2021年末より、尾道市内に「第１」「第２」で構成される「山波工場」の新設を進めている。新工場が完成すると、生産力は６割増、2021年12月期52億円だった売上高を2026年12月期に75億円まで引き上げることを目指している。さらなる成長と飛躍の拠点づくりは、着々と進行中だ。