コインランドリー情報誌 ランドリービジネスマガジン LBM

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REPORT:Jabba Ring/まだ割引チラシを撒いている?販促でも必要とされる差別化 ~前編~

▲札幌市中央区にあるJabba Ring


低コストで効果絶大の販促

コインランドリーの店舗数は右肩上がりが続いているが、その中で生き残るためには他店との「差別化」が重要になってくる。カフェやガソリンスタンド、コンビニとの併設店や最新の機器を取り入れた店などユニークな店が数多く生まれている。しかし、どんな店でも店舗の売上アップのためには、効果的な販促が重要だが、何を思い浮かべるだろうか。チラシ、ホームページ、FacebookTwitterInstagram等、従来のオフラインからオンラインのものまで多岐に渡る。

▲アラワサッタ」には、スタッフが「代わりに洗っておいてくれた」という意味が込められている

▲2020年コインランドリーアワード最優秀賞のトロフィー


一方コインランドリーの販促といえば、新聞の折り込みチラシやポスティングチラシが大多数であるが、その効果はどうだろうか?  2020年のコインランドリー店アワード最優秀賞に輝いた北海道札幌市のJabba Ring(ジャバリン、運営=㈱ライトン・竹内康社長)では、一見するとコインランドリーだが、利用客に代わって洗濯から乾燥までの一連の工程をスタッフが行う「アラワサッタ」のサービスを展開し「失敗しないコインランドリー」として地元で愛されている。しかし、地元で愛されている理由はそれだけではない。意外な販促方法にも秘訣があった。今回は竹内社長にその販促方法についてオンラインで話を伺った。

▲竹内康社長


始まってすぐに竹内社長は見開きの冊子を画面上で見せてくれた。「これは、地域の回覧板に入る地域情報紙なんです。この中に広告を載せることができるんですよ」とのこと。Jabba Ringの広告も掲載されていた。もちろん、地域の回覧板であるため地域のイベントやサークルなどもしっかり掲載されている。


▲月に一回のペースで発行され回覧板で情報発信されている地域情報紙

▲地域情報紙の中でお店の広告を掲載。費用はたったの2,000円


多くのコインランドリー店が新聞の折り込みチラシや、ポスティングチラシを配布する中、なぜ今の時代に地域密着型の「回覧板」を選んだのか。竹内社長は「コインランドリー店でポスティングしたり、折り込みチラシを入れたりしているお店は多々あると思うけれど、私はそれ間違っているのではないかなと思っています」と話す。コインランドリーの利用客のほとんどは自分の家から近い所を選ぶ。広い範囲に撒かれるチラシが来てもなかなか遠くまで足を運ぼうとは思わない。遠くの客を引き寄せるために割引チラシを撒いたとしてもその割引期間だけの利用となってしまい、その期間が終了すれば結局近くのコインランドリーへと戻ってしまうのだ。割引期間だけの利用となれば、利益率も低くリピーターも付きにくい。それでもチラシを撒くとなると当然費用がかかる。例えば、商圏人数が10,000人~15,000人の地域で4,000部~5,000部のチラシを作成し撒くとすると、デザイン代、印刷代、ポスティング代で約5~10万円くらいはかかってしまうのが一般的だ。



︎▲地域のイベントなども多く掲載されている。Jabba Ringで洗濯講座を開催したことも


しかし、Jabba Ringが掲載されている地域情報紙にかかる費用はなんと驚きの『2,000円』だという。デザイン・印刷代含めて2,000円なら、ふとん1、2枚洗ってもらえれば元が取れてしまうような価格。これを回覧板に挟んで月1回のペースで回している。


また、回覧板のメリットは費用の安さだけではない。そもそも「回覧板」というものは“受け取ったら次に回す”という動作があるので、その人が見る、見ないかはともかく確実に各世帯へ情報が伝わる。また、近所とのコミュニケーションツールにもなる。実際にこの地域情報紙にも子育てサークルや地域のイベントが掲載されており仲良くなれるきっかけも多いという。Jabba Ringでも洗濯講座を開き、そこでコインランドリーの使い方も話すことで、これもまた集客に繋がったという。町内会という範囲の中で限定的に配られているため町内の人からも「あぁ、あそこのお店ね」とすぐに認知してもらえるのだ。そうして仲良くしていれば口コミも広がり、お店を利用してくれる方も定着してくるという。お店の中で近所の方同士で会話をしたり、使い方を教えあったり良い循環が生まれていると話す。

▲地域に愛されるコインランドリーJabba Ring


地域のつながりの希薄化が問題視されている現代で、このように地域密着型で知ってもらえれば、よっぽどのことがない限り他のお店に行こうとはならない。コインランドリーは「狭い範囲で濃く」知ってもらう事が重要であり、コストも低く効果も絶大な回覧板での販促は「やらない理由がない」と話していた。

次号、「まだ割引チラシを撒いている?販促でも必要とされる差別化~後編~」。コインランドリーでやっている店はまだまだ少ない!Jabba Ring竹内社長が語る「穴場の販促」を掲載予定です。



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