FRANCHISE:ドラッグストア最大手がなぜコインランドリーを? ツルハドラッグがマンマチャオを選んだ理由
マンマチャオ
2018年11月末現在、「mammaciao(マンマチャオ)」を全国で520店舗展開しているフランチャイズチェーンの㈱エムアイエス(2018年10月1日に㈱mammaciaoから社名変更)は、「ツルハドラッグ」で知られるドラッグストア最大手の㈱ツルハ(本社・北海道札幌市、鶴羽順社長)と、フランチャイズ契約を締結。7月27日に札幌市内のツルハドラッグ東札幌店の敷地内でマンマチャオ東札幌店をオープンした。
ドラッグストア業界トップの全国2,035店舗(ツルハグループとして)を展開し、売上高も業界第2位の6,700億円(2017年度)。名実ともにドラッグストア業界のリーディングカンパニーであるツルハはなぜ、コインランドリー市場に参入し、そしてなぜ、その出店形態として「マンマチャオ」という選択肢を採ったのだろうか。
札幌市内の本社で行われた本誌の取材によると、近年、ドラッグストア業界も少子高齢化による客数減の影響を受け、年々売り上げが減少傾向にあり、その中で、「同一客の来店頻度をいかに上げていくか」がツルハ全体の課題としてあった。そんな中、近年急成長を遂げてきたコインランドリー市場の動きに、横展開を模索していた鶴羽樹会長が着目。「日用品の販売と洗濯。『生活』というキーワードで結びつき、親和性も高い。ドラッグストアへの相乗効果も期待できる」という会長の意向により、2017年の夏前頃からコインランドリーの出店構想がスタートしたという。
写真:ツルハ店舗開発本部でコイン事業担当の川原木氏(左)と広報の山崎氏
しかし、ツルハは1929年の創業以来、小売業一筋で歩んできたため、異業種のノウハウはない。そこでフランチャイズによる出店を計画。数社と話を進める中で、サポート体制、コスト、そしてローソンやイオンといった大手小売業者での併設店舗出店のノウハウもあり実績十分と判断して選んだのが「マンマチャオ」だった。
一号店となった東札幌店は、ひとまず札幌市内で出店することを決め、コインランドリーの敷地と駐車場が確保できる候補地20店舗をツルハがリストアップ。そこからエムアイエスが10店舗に絞り込んで現地視察。5店舗を最終候補として提案し、ツルハが決めたというのが立地選定の経緯。
写真:マンマチャオ東札幌店
オープン前にツルハドラッグ東札幌店のLINE@で全会員にコインランドリーオープンの案内を流した効果もあり、「当初立てた時期ごとの売上目標を前倒しで達成しており、成長スピードは非常に速い」とエムアイエスの中島英樹常務は述べ、ツルハの店舗開発を担当している川原木翔氏も「時期や天候でもう少し売上の変動があると思っていたが、想定していたほどのブレはない」と話しており、1店舗目は好スタートを切ったと言える。
写真:東札幌店は非常にコンパクトな作りになっている
一方、ドラッグストアとの相乗効果という点では「まだまだ」と述べており、今はコイン単独の利用が目立つため、コインのお客をどのようにドラッグストアの利用に繋げていくかが課題となっている。
11月9日には同じく札幌市内のツルハドラッグ月寒東2条店で2店舗目をオープン。川原木氏は「1店舗目と2店舗目で違った動きが出てくると思うので、そこを見て次の展開を決めていきたい」と今後の展望を述べた。
写真:マンマチャオ月寒東2条店
なお、前述のとおりローソン、イオンの他、オートバックス等でも併設店を展開しているエムアイエスだが、このほど㈱セブンイレブンジャパンとコインランドリー出店における契約を締結。広すぎる駐車場の有効活用を望む地方のオーナー店は多数あり、「マンマチャオ」の出店ペースは今後さらに加速することが予想される。本誌では今後、セブンイレブンにおける展開なども紹介する予定。
写真:エムアイエスの中島常務(右)は北海道エリアを担当。ツルハの立地選定でも現地視察を行うなどした
※フランチャイズに関する問い合わせは、エムアイエス(TEL0120-79-5523)まで。
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