コインランドリー情報誌 ランドリービジネスマガジン LBM

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REPORT:㈱TOSEI/他のサービスを加えることで差別化、付加価値アップ・コインランドリープラスαの豊富なアイデア


ネイルサロンに生鮮食品受け取りボックス、空室対策

 一時よりペースは落ちたとは言うものの、依然として全国で増え続けているコインランドリー。無人でセルフサービスという施設が大半であるため差別化が難しく、よりキレイで新しいランドリーが近くにできると売り上げが減ってしまうことも珍しくない。そこで、コイン機器メーカー大手の㈱TOSEIでは、ランドリーに別のサービスを加えることで差別化、および施設の付加価値向上につながる豊富な提案をラインナップ。今回は、その一部を紹介する。



■ランドリー+ネイルサロン

 2020年4月、同社の直営店であるTOSEI Laundry東中野店(東京都中野区)の一角にネイルサロンがオープン。そのスペースは、店舗オーナーである同社が無料で貸し出しているのだが、その代わりに一部のオペレーションをネイリストに委託することで運営コストを削減。本来は無人となるはずの店舗にネイリストがいるので、特に女性は安心して来店できるのに加えて、ランドリー機器の操作方法が分からない人への説明などを行ってもらうことで、利用することへのハードルを下げる効果も見込めそうだ。

 一方、ネイリストは家賃負担などの運営コストが抑えられることが大きなメリットとなる。さらに、併設店舗まで足を運んでもらうことで、ランドリーとネイルサロン、どちらかしか利用したことがなかった層へのアプローチが容易になる、との効果も期待できる。

 ランドリーでの洗濯・乾燥は約60分であるが、ネイルの仕上がりも約60分とほぼ同じ。今回の東中野店では、ネイルサービスの価格を10本4,000円と設定しているが、運営費用を抑えたことで、利用者にとって魅力的な料金設定が可能となった。TOSEIでは今後を見据え、美容サロン業界と提携しており、全国のTOSEI機器導入のコインランドリーオーナーに向けた新たなシェアビジネスとして、ネイルサロンとのコラボ企画を進めていくとしている。


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写真:今回の東中野店では、ネイルサービスの価格を利用者にとって魅力的な10本4000円と設定。一方のランドリーにおいても、本来は無人となるはずの店舗にネイリストがいるので、特に女性は安心して来店できる のではないか


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グラフ:4000円という低単価のため幅広い年齢層が利用しているが、特に多いのが20代会社員と30~40代の主婦層。近隣の方が中心なので、地域密着のランドリーと相性は良いはず


クックパッドの生鮮食品受け取りボックスを設置

 さらに2020年8月には、生鮮食品受け取りボックス「マートステーション」を、同じく都内の直営店である五反田店と千駄木店内に設置した。これは、クックパッド㈱が運営する生鮮食品EC(通信販売)サービス「クックパッドマート」で注文した商品を受け取るためのボックスで、利用者は洗濯・乾燥から買い物までを一度に済ませることができるようになる。

 クックパッドマートは、生産者と消費者をつなぐ生鮮食品ECプラットフォームで、地域の生産者が販売する食材を、1品から送料無料で、出荷当日に新鮮な状態で届けてくれる。マートステーションは現在、東京都23区・神奈川県横浜市川崎市に約160箇所に設置されている。工事不要、無償での導入が可能で、今後はTOSEIのコインランドリー機器を導入している店舗にも順次、設置していく計画。

 家事時間の短縮を図るべく、洗濯を自宅ではなくランドリーで行うような、忙しい単身者や共働き世帯にとって、特に便利なサービスと言えそうだ。


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写真:クックパッドの生鮮食品受け取りボックス「マートステーション」。地域の生産者が販売する食材を、1品から送料無料で、出荷当日に新鮮な状態で届けてくれる。家事時間の短縮を図るべく、洗濯を自宅ではなくランドリーで行うような、忙しい単身者や共働き世帯にとって、特に便利なサービスと言えそうだ



■空室対策にランドリー&宅配ボックスのセット

 これまでに紹介したような「併設」ではないが、最後に取り上げるのが、マンションの築古物件の空室対策としてのランドリー経営。コインランドリーへの投資は、土地活用や相続税対策としての路面店の展開、また、新築マンションの1階部分への設置で付加価値をアップする等のメリットが注目されているが、これは空室が目立ち始めた既存の賃貸マンションにコインランドリーを設置して、入居者には毎月一定額の利用券を進呈すること等を想定したアイデア。ランドリーは粗利益率が75%と高いため、仮に2,000円の利用券を毎月入居者に渡したとしても、家主の実質負担は500円程度と、それほど大きくはない。それでいて、入居者から見れば、1階の大型洗濯機と乾燥機が使える無料券が付いている物件というのは、魅力的ではないだろうか。


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写真:築古物件の空室対策としてランドリーと宅配ボックスの設置を提案していく



 さらに同社では、宅配ボックス大手のナスタと提携し、コインランドリー内に宅配ボックスを設置するプランを準備。ランドリーと宅配ボックスのセットを設けることで、築古物件の空室対策として活用するよう物件オーナーに提案を行っていく。



株式会社TOSEI

本店 東京都品川区東五反田1丁目24番2号 東五反田1丁目ビル2階

代表取締役社長 谷嶋 和夫

お問い合わせ TEL:0120-002-490

【事業内容】業務用クリーニング機器および真空包装機の製造販売

設立:昭和25年4月

資本金:4億9,800万円

従業員数:327名

【URL】http://www.tosei-corporation.co.jp/



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