コインランドリー情報誌 ランドリービジネスマガジン LBM

国内唯一無二のコインランドリービジネス情報誌




マダムも御用達! ハンガリーのヴィンテージショップに学ぶお店づくりのヒント/カラーコーディネーターによる海外の洗濯・ランドリー事情⑦ 倉永真紀子


 今回はヨーロッパ、ハンガリーでのヴィンテージショップに学ぶ、お店づくりのヒントをお話します。

 ハンガリーでは街中に多くのヴィンテージショップがあります。雰囲気は日本でいう古着屋さんとよく似ているのですが、ここハンガリーでは、お客さんの年齢層が幅広いことに日本との違いを大きく感じました。

 「リサイクルショップ」という括りではなく、「古着屋さん」とお洋服をメインとしたお店を考えたときに、日本のそれを利用する方の割合は若い方が多いのですが、こちらではヤングガールズからマダムまで、また男性の方も日常着を探しに来ているという感じ。

 男女比で言うとやはり女性が多いのは、万国共通なのかもしれません。

 どこのお店を見ても印象的だったのは、お店の面積が広いことと、店内が明るいこと。

 お店の面積が大きいのは、それだけの場所が確保できるということはもちろんですが、それだけ古着が日常に馴染んでいるということでしょう。

 そして店内が明るい、というのは窓が大きくて外からの光が入る明るい店内環境が保たれていることを指します。


 服の色がライトの色で変わってしまって分からなくなることはなく、商品の色がしっかり見えて、色とりどりのお洋服が並べられていました。

 アイテムは服以外にも靴、帽子、ネクタイ、サングラスなどの小物から昔の人形までも置かれていましたよ。

 植物のグリーンはディスプレイ周りを彩り、商品単体として置かれているよりもずっとファッショナブルな雰囲気、「ヴィンテージショップ感」を出しています。

 お買い物をしていて「なんか全部素敵!」「あれもこれもかわいい!」というワクワクする感じありますよね? そのような購買意欲をそそるディスプレイが出来上がっていました。


f:id:murakamihjm:20201223164847p:plain
写真:購買意欲をそそるディスプレイが出来上がっていた



 お店の雰囲気に合わせて、トータルでディスプレイすることで、あれもこれも素敵!と思わせるデザインは、このように大きな規模でなくとも実現可能です。

 クリーニング等の店舗で、回数券や販売されている小物があるのであれば、それらを「いかにトータルで魅力的にみせるか」それを演出するのは、POPなのか、ディスプレイなのか、という提案次第でお客様の反応は変わります。それによって単価も変わってきますよね。

 大きな空間のあるコインランドリーなどにおいては、POPの文字だけで訴求するのではなく、視覚、BGMなどの聴覚など、五感を通じた空間演出の方法も効果的といえるでしょう。

 今まで考えていなかった部分を試されて、テストしてみると良いでしょう。

 店内の壁紙は、視覚でも一番目に入りやすい部分の一つです。壁紙の雰囲気で店舗のイメージはとても変わります。日本では、外の光を取り入れづらい設計の店舗も多々あると思います。

 そんな時にお部屋の空間を広くみせられることが壁紙の役目の一つでもあるんですね。

 照明と壁紙を変えるだけで、お店の雰囲気はとても変わります。

 もし、今リニューアルまでとはいかなくとも店内の雰囲気を大きく変えられたいのであれば、壁紙を変えることはとても効果的ですよ。


f:id:murakamihjm:20201223164800p:plain写真:照明と壁紙を変えるだけで、お店の雰囲気はとても変わる。また、このように絵を飾ることも手軽で効果的!



 写真の店舗のように、絵を飾ることも手軽で効果的な方法です。

 メインである服をかけてある什器は、日本の古着屋さんでもよく見るようなものですが、お客様の目線がとても見やすいところにあります。


f:id:murakamihjm:20201223165058p:plain
写真:メインである服をかけてある什器は、お客の目線がとても見やすいところにあり、ついつい滞在時間が長くなる



 荷物を持ちながら買い物していた私も、とても楽ちんにお店を回ることができたので…店舗滞在時間がついつい長くなっちゃいました!

 それでありつつ、客導線がしっかりできていること、光の差す店内の明るい雰囲気で、狭苦しいというイメージはかなり軽減されていると感じます。マダム達がお買い物しやすいつくりになっていますよね。


f:id:murakamihjm:20201223165139p:plain

f:id:murakamihjm:20201223165153p:plain
写真:日本では、こうした店を利用するのは若い女性が多いが、ハンガリーではマダムも目立つことに加え、男性も日常着を探しに来ているよう



 商品数が多いお店なので、アイテムごとにまとめられ、色はグラデーションで展開しているコーナーが多かったです。

 ハンガリーのショップでとても驚いたのは、商品の質がとても良くて、安いところ!! 

 「ヴィンテージショップ開いて、仕入れしに来たい〜!」と思わせるほどでした(笑)。

 まずハンガリー自体がヨーロッパの中でも物価が安い国なのですが、ワンピース、スカーフ、バッグ、ブーツのトータルコーディネイトでなんと1万円未満…!! サイズが合えば、バッチリです。

 このような小売店の場合、「お店にいることを楽しめること」が、心が動き、お客様にとっての大きな満足感につながります。

 皆さんのお店では、何を伝えたらお客様により満足していただけるでしょうか。

 お客様の心が動き、サービスに魅力を感じたり、できあがりをイメージしてワクワクしたりすると、お店を信用してくださいます。

 お客様の心を動かすことを考えながら、まずはできるところからの空間演出を始めてみてくださいね。


倉永さんのブログ https://ameblo.jp/life-is-colorful-makiko/




LBM 読者登録 お済みですか? 

www.lb-mag.com


ランドリービジネスマガジン(LBM)は、どなたでも無料でお読みいただけるフリー雑誌ですが
読者登録 いただきますと、毎号発刊時・サイト更新時にメールにてご連絡させていただきます。
お読み忘れの無いように!ぜひご登録ください。

f:id:murakamihjm:20171120172128j:plain